株式会社アクセルスペースホールディングスは10月6日、運用中の小型衛星「GRUS-3」で、高速通信系統に搭載された電力増幅器に不具合が発生し、恒久故障と判断したと発表した。同社は同日、2027年5月期の通期業績予想も修正しており、今回の資料はその修正理由となった不具合の発生箇所や推定要因を補足説明するものとなっている。
GRUS-3には地上との通信を担う高速通信系統と低速通信系統が独立して搭載されている。高速通信系統は撮影した大容量の画像などのミッションデータを地上局へ送信する役割を担うが、今回はこの系統で電波を増幅する電力増幅器が故障した。低速通信系統や衛星の他の機能は正常に作動しているという。
同社の推定では、電力増幅器内部の放熱構造に設計上の問題があり、十分に熱を逃がせず内部温度が異常上昇、信号を増幅する「アンプ素子」が損傷したとみられる。その結果、電波の増幅ができなくなり、高速通信系統による大容量データの地上局への送信が不可能になったとされる。今回の公表は、業績予想修正の背景を説明する目的とみられる。
今回の内容は2026年10月6日時点の推定であり、電力増幅器は恒久故障と判断されているものの、復旧の見込みや今後の運用方針、他衛星への影響の有無など具体的な対応策は明らかにされていない。原因の確定や今後の対応については、同社の追加発表が待たれる。