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電子部品

世界のスマホ・EV に必ず入っている —— 日本が世界的に強い“縁の下”

電子部品は日本が世界的に強い分野。スマートフォンや EV には、村田製作所の MLCC(積層セラミックコンデンサ)をはじめ 日本製の部品が大量に使われる。半導体そのものではないが、半導体とセットで需要が動き、スマホ市況・EV 化・ データセンター投資が業績を左右する。下表は各社の全社連結。

各社の全社連結(横断比較)

数値は各社の最新の全社連結(有報ベース)で、当該業界の事業“単独”ではない。 決算期は会社ごとに異なる(最新を含む期: 2026年3月期 前後)。

セグメント別(主戦場/非主戦場)

各社の事業別セグメント売上・利益。この業界の主戦場に当たるセグメントには主戦場を付けています。主戦場が見当たらない会社は、その事業が独立セグメントとして開示されていない(=全社の一部に埋もれている)ことを意味します。

TDK株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高営業利益資産設備投資減価償却セグメント間取引構成比
エナジー応用製品(電池等)1.37兆円2467億円2.69兆円1931億円1012億円100万円55.9%
受動部品(コンデンサ等)主戦場5932億円418億円1.01兆円402億円537億円56億円24.2%
磁気応用製品2629億円270億円6136億円333億円194億円3億円10.7%
センサ応用製品2246億円207億円4207億円172億円198億円2億円9.2%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

受動部品に加え、スマホ用小型電池(エナジー応用製品)が売上最大。センサ・磁気応用も。

株式会社村田製作所主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

MLCC(積層セラミックコンデンサ)で世界首位。単一セグメント開示=全社が電子部品。

太陽誘電株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

MLCC 等のコンデンサ大手。村田に次ぐ位置。単一セグメント開示。

京セラ株式会社非主戦場

セグメント(事業別)売上高営業利益資産設備投資減価償却セグメント間取引構成比
ソリューション1.04兆円1039億円1.20兆円240億円544億円265億円50.7%
コアコンポーネント6526億円631億円7643億円788億円477億円8億円31.7%
電子部品3626億円73億円6998億円269億円335億円8億円17.6%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

電子部品・半導体パッケージを持つが、全社は通信機器・太陽光等を含む総合部品。

世界の状況

日本の上場企業だけでは業界の全体像は見えない。世界の主要プレイヤーを並べると、 この業界で日本勢がどの位置にいるのかが分かる。棒の長さは規模(売上・総資産・台数など)の目安。

① 大手電子部品メーカー 売上比較(直近通期)

売上の総額では TDK・京セラが村田を上回る。ただし中身が違い、TDK の売上の約 55% はスマホ用電池。 上位3社がすべて日本企業である点がこの分野の特徴。

#プレイヤー売上(原文値)決算期・補足
1TDK日本
¥2兆5,048億
2026年3月期・約55%が電池(エナジー応用)
2京セラ日本
¥2兆702億
2026年3月期・通信機器等を含む総合部品
3村田製作所日本
¥1兆8,309億
2026年3月期・コンデンサ単体で 9,364億円
4Samsung Electro-Mechanics(韓)
KRW 11.31兆
2025年12月期(+10%・過去最高)
5Yageo(台)
NT$ 1,329億
2025年12月期(+9.25%)
6太陽誘電日本
¥3,553億
2026年3月期(+4.1%)
各社公式決算の原文値。決算期・通貨・会計基準が異なるため厳密な順位ではない(日本4社=2026年3月期、韓・台=2025年12月期)。 「電子部品で世界最大」といった順位は、何を電子部品とするかを規定した一次情報が無いため本ページでは断定しない。 出典: 各社公式決算(決算短信/プレスリリース/台湾 MOPS)

② 村田が公表する自社の世界シェア

村田は自社の統合報告書で品目別の世界シェアを公表している。ただしこれは同社の「当社推定値」である点に注意。

#プレイヤー世界シェア(村田公表)補足
1高周波インダクタ
60%
—
2MLCC(車載用途)
50%
自動車市場での同社シェア
3積層セラミックコンデンサ(MLCC)日本
40%
全体
4EMI 除去フィルタ
40%
—
5表面波フィルタ
40%
—
出典は村田の統合報告書(p.52「ムラタの世界シェア」・p.32)。同社は p.32 の脚注で「シェアは当社推定値です。 また市場や用途により異なります」と明記している=第三者調査による数値ではない。 サムスン電機・太陽誘電・TDK・Yageo の MLCC シェアの自社公表値は確認できなかったため掲載しない。 出典: 村田製作所『Murata value report 2025』

業界の変遷(年表)

いまの勢力図がどう出来上がったのか。主要な出来事を時系列で並べる。各行の「出典」は発表元の一次資料へのリンク。

  1. 2005-05

    TDK が香港の Amperex Technology(ATL・リチウムポリマー電池)を約 1 億ドルで買収。のちに売上の柱となる電池事業への入口となった。

    出典: TDK Form 20-F(SEC, FY2005)
  2. 2008-07

    TDK が独 EPCOS との経営統合契約に署名(1株 17.85 ユーロ・株式価値 約 12 億ユーロ)。

    出典: TDK Form 6-K(SEC, 2008-07-31)
  3. 2016-10

    村田製作所がソニーの電池事業を譲り受ける最終契約に署名した。

    出典: 村田製作所 ニュースリリース(2016-10-31)
  4. 2017-02

    クアルコムと TDK が高周波(RF)フィルタの合弁 RF360 Holdings を発足(クアルコム 51%・EPCOS 49%)。

    出典: TDK 公式プレスリリース(2017-02-03)
  5. 2017-09

    村田がソニーからの電池事業譲受を完了し、エナジー領域を「コア事業」と位置づけた。

    出典: 村田製作所 IR ニュース(2017-09-01)
  6. 2018-04

    太陽誘電がエルナー(アルミ電解コンデンサ)を完全子会社化し、車載市場でのポジションを強化した。

    出典: 太陽誘電 公式「太陽誘電のあゆみ(沿革)」
  7. 2019-09

    クアルコムが RF360 の残り持分を取得し、TDK は RF フィルタ合弁から退出した。

    出典: Qualcomm 公式プレスリリース(2019-09-16)
  8. 2020-03

    京セラが米 AVX(電子部品)を完全子会社化(1株 21.75 ドル)。AVX は NYSE 上場廃止となった。

    出典: AVX Form 8-K(SEC, 2020-03-30)
  9. 2024-03期

    TDK のエナジー応用製品(二次電池・電源)が売上の 53.3%(1兆1,217億円)に達し、受動部品(26.9%)を大きく上回る最大セグメントとなった。

    出典: TDK 2024年3月期 決算短信

よくある質問

電子部品業界の主な上場企業はどこですか?

電子部品業界の主な上場企業には、TDK株式会社、株式会社村田製作所、太陽誘電株式会社があります(日本国内の上場企業ベース)。

電子部品業界の世界の主要プレイヤーはどこですか?

① 大手電子部品メーカー 売上比較(直近通期)によると、TDK(¥2兆5,048億)、京セラ(¥2兆702億)、村田製作所(¥1兆8,309億)、Samsung Electro-Mechanics(韓)(KRW 11.31兆)、Yageo(台)(NT$ 1,329億)が挙げられます。