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パソコン(PC)

上場“専業”がほぼ存在しない業界 —— 総合電機の一事業として残るだけ

日本の PC 市場は規模で海外勢(レノボ・HP・Dell 等)に敗け、上場の PC 専業は実質ゼロ。 各社の戦略は「赤字回避=高付加価値ニッチ、または撤退」と「自社から切り離し=JV 化・分社・非上場化」に二分される。 下表は PC を手がける総合電機各社の“全社連結”決算で、PC 単独の数値ではない点に注意。

各社の全社連結(横断比較)

数値は各社の最新の全社連結(有報ベース)で、当該業界の事業“単独”ではない。 決算期は会社ごとに異なる(最新を含む期: 2026年3月期 前後)。

セグメント別(主戦場/非主戦場)

各社の事業別セグメント売上・利益。この業界の主戦場に当たるセグメントには主戦場を付けています。主戦場が見当たらない会社は、その事業が独立セグメントとして開示されていない(=全社の一部に埋もれている)ことを意味します。

富士通株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高営業利益設備投資減価償却セグメント間取引構成比
サービスソリューション2.31兆円3615億円172億円707億円321億円66.6%
ハードウェアソリューション9333億円670億円200億円185億円765億円26.8%
ユビキタスソリューション(PC・クライアント等)主戦場2295億円388億円8500万円1億円3億円6.6%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

富士通の PC/クライアント端末はユビキタスソリューションに含まれる。ただし PC 本体の主力は レノボとの合弁「富士通クライアントコンピューティング」が担い、そこは連結対象外。

パナソニックホールディングス株式会社非主戦場

セグメント(事業別)売上高営業利益設備投資減価償却セグメント間取引構成比
パナソニック コネクト(法人向け・モバイル PC 等)主戦場1.32兆円1001億円180億円819億円597億円19.3%
くらしアプライアンス/スマートライフ1.25兆円-373億円314億円515億円1240億円18.2%
空調・コールドチェーン1.15兆円231億円331億円431億円1628億円16.8%
インダストリー1.12兆円405億円587億円618億円498億円16.3%
エレクトリックワークス1.08兆円577億円287億円364億円800億円15.8%
エナジー9410億円698億円4316億円473億円433億円13.7%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

法人向けモバイル PC(レッツノート/タフブック)は「パナソニック コネクト」が担う。 同セグメントは PC 以外の B2B 事業も含み、PC 単独の内訳ではない。

日本電気株式会社非主戦場

セグメント(事業別)売上高営業利益設備投資減価償却セグメント間取引構成比
IT サービス2.51兆円3367億円225億円777億円20億円100.0%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

NEC の家庭向け PC(NEC パーソナルコンピュータ)はレノボとの合弁で連結対象外のため、 セグメントに PC 単独は現れない。開示は IT サービス等が中心。

シャープ株式会社非主戦場

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

シャープは旧東芝 PC 事業(Dynabook)を傘下に持つが、当該期の収録データにはセグメント別の売上・利益が未収載。

セイコーエプソン株式会社非主戦場

セグメント(事業別)売上高営業利益資産設備投資減価償却セグメント間取引構成比
プリンティングソリューション1.03兆円1206億円7952億円479億円488億円5300万円73.1%
製造関連・ウェアラブル1969億円108億円2016億円96億円111億円92億円14.0%
ビジュアルコミュニケーション1814億円123億円1530億円71億円96億円0円12.9%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

エプソンの主力はプリンティング等で、PC(Endeavor)はごく小規模。独立した PC セグメントの開示はない。

世界の状況

日本の上場企業だけでは業界の全体像は見えない。世界の主要プレイヤーを並べると、 この業界で日本勢がどの位置にいるのかが分かる。棒の長さは規模(売上・総資産・台数など)の目安。

世界の PC 出荷台数ランキング(CY2024)

IDC 調べ・CY2024 通年。「伝統的 PC(デスクトップ+ノート+ワークステーション、タブレット/サーバ除く)」の出荷台数ベース。

#プレイヤー出荷台数(CY2024)シェア/前年比
1Lenovo
6,180万台
23.5%/+4.7%
2HP Inc.
5,300万台
20.2%/+0.1%
3Dell Technologies
3,910万台
14.9%/-2.2%
4Apple
2,290万台
8.7%/+4.5%
5ASUS
1,790万台
6.8%/+6.4%
6その他
6,800万台
25.9%/-2.1%
7世界計
2億6,270万台
100%/—

業界の変遷(年表)

いまの勢力図がどう出来上がったのか。主要な出来事を時系列で並べる。各行の「出典」は発表元の一次資料へのリンク。

  1. 2005-05

    IBM が PC 事業を Lenovo へ売却完了。世界 3 位の PC メーカーが誕生した。

    出典: Lenovo 公式リリース(2005-05-01)
  2. 2011-07

    NEC が PC 事業を分社し、Lenovo との合弁 Lenovo NEC Holdings を設立(当初 NEC 49% 出資)。

    出典: NEC Form 20-F(SEC, 2020)
  3. 2011

    世界の PC 出荷はこの年がピーク。2012 年以降は毎年減少に転じた。

    出典: Gartner 公式リリース(2017-01-11)
  4. 2014-07

    ソニーが VAIO の PC 事業を投資ファンド JIP へ売却し、PC 市場から撤退した(ソニーは 5% 出資)。

    出典: ソニー・JIP 共同発表(Sony Form 6-K, SEC, 2014-02-06)
  5. 2016-07

    NEC が合弁株の 90% を Lenovo へ売却。NEC の保有は議決権 33.4%・経済的持分 4.9% まで縮小した。

    出典: NEC Form 20-F(SEC, 2020)
  6. 2017-11

    富士通が PC 子会社 FCCL を Lenovo 51%・DBJ 5% へ売却し合弁化した(富士通は 44% 残存)。

    出典: 富士通 公式リリース(2017-11-02)
  7. 2018-10

    東芝が PC 子会社(dynabook)の株式 80.1% をシャープへ譲渡した。

    出典: 東芝 公式リリース(2020-08-04)
  8. 2020-08

    東芝が残り 19.9% も譲渡し、dynabook がシャープの完全子会社に。東芝は PC 事業から完全撤退した。

    出典: 東芝 公式リリース(2020-08-04)
  9. 2020

    コロナ特需で世界 PC 出荷は 2 億 7,500 万台・前年比 +4.8%(過去 10 年で最高の成長率)。

    出典: Gartner 公式リリース(2021-01-11)
  10. 2021

    コロナ特需のピーク。世界 PC 出荷は 3 億 3,980 万台・前年比 +9.9%(2013 年以来の最大出荷)。

    出典: Gartner 公式リリース(2022-01-12)
  11. 2024

    直近 CY2024 の世界 PC 出荷は 2 億 6,270 万台・前年比 +1%(平常化)。

    出典: IDC 公式リリース prUS53061925(2025-01-09)

よくある質問

パソコン(PC)業界の主な上場企業はどこですか?

パソコン(PC)業界の主な上場企業には、富士通株式会社があります(日本国内の上場企業ベース)。

パソコン(PC)業界の世界の主要プレイヤーはどこですか?

世界の PC 出荷台数ランキング(CY2024)によると、Lenovo(6,180万台)、HP Inc.(5,300万台)、Dell Technologies(3,910万台)、Apple(2,290万台)、ASUS(1,790万台)が挙げられます。