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製薬

R&D 勝負の世界市場 —— 規模で欧米大手に劣るが「新薬」で戦う日本勢

医薬品は世界市場を欧米の巨大製薬(米ファイザー・J&J、スイス・ロシュ等)が支配し、日本勢は規模で見劣りする。 だが武田はグローバル上位、第一三共はがん治療薬「エンハーツ」、中外はロシュ傘下でバイオ医薬に強みを持つなど、 新薬(R&D)で世界と戦う。特許切れ(パテントクリフ)と新薬の当たり外れで業績が大きく動く。下表は各社の全社連結。

各社の全社連結(横断比較)

数値は各社の最新の全社連結(有報ベース)で、当該業界の事業“単独”ではない。 決算期は会社ごとに異なる(最新を含む期: 2026年3月期 前後)。

セグメント別(主戦場/非主戦場)

各社の事業別セグメント売上・利益。この業界の主戦場に当たるセグメントには主戦場を付けています。主戦場が見当たらない会社は、その事業が独立セグメントとして開示されていない(=全社の一部に埋もれている)ことを意味します。

武田薬品工業株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

国内首位・グローバル上位。アイルランドのシャイアー買収で規模を拡大した。

大塚ホールディングス株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高営業利益設備投資減価償却セグメント間取引構成比
医薬品主戦場1.74兆円4453億円2217億円782億円—70.6%
ニュートラシューティカルズ5776億円577億円389億円218億円4800万円23.4%
Other1124億円80億円176億円64億円35億円4.6%
一般消費者向け製品346億円252億円51億円21億円2400万円1.4%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

医療用医薬品に加え、ポカリスエット等のニュートラシューティカルズ(栄養・機能性食品)も持つ。

アステラス製薬株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

泌尿器・がん等が主力。主力薬の特許切れ(パテントクリフ)が課題。

第一三共株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

がん治療薬「エンハーツ」(抗体薬物複合体)が世界的に伸長。

中外製薬株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

スイス・ロシュの傘下(連結子会社)。抗体医薬などバイオに強い。

エーザイ株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高営業利益構成比
米州3004億円1744億円37.1%
日本2292億円730億円28.3%
中国1307億円593億円16.1%
欧州・中東・アフリカ815億円304億円10.1%
東アジア・グローバルサウス688億円302億円8.5%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

認知症治療薬「レカネマブ(レケンビ)」で注目。セグメントは地域別開示。

塩野義製薬株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

感染症に強み(抗ウイルス薬等)。国内中堅。

世界の状況

日本の上場企業だけでは業界の全体像は見えない。世界の主要プレイヤーを並べると、 この業界で日本勢がどの位置にいるのかが分かる。棒の長さは規模(売上・総資産・台数など)の目安。

① 世界の主要製薬 通期売上(FY2025)

世界の製薬は欧米大手が上位を占める。日本最大の武田でも、規模では欧米大手のおおむね半分以下にとどまる。

#プレイヤー通期売上(原文値)定義・期間
1Merck & Co(MSD・米)
$65.0B
暦年2025・動物用医薬を含む全社
2Pfizer(米)
$62.6B
暦年2025
3Roche(スイス)
CHF 61.5B
暦年2025・グループ(医薬部門 CHF 47.7B)
4AbbVie(米)
$61.2B
暦年2025
5Johnson & Johnson(米・医薬部門)
$60.4B
暦年2025・医薬部門(全社は $94.2B)
6AstraZeneca(英)
$58.7B
暦年2025
7Novartis(スイス)
$54.5B
暦年2025・継続事業
8武田薬品工業日本
¥4兆5,057億
2025年4月〜2026年3月期
各社公式決算の原文値。通貨・決算期・売上の定義が各社で異なるため、これは厳密な「順位」ではない (Merck=動物用医薬を含む全社/Roche=診断薬を含むグループ・医薬部門は CHF 47.7B/J&J=医薬部門/ Novartis=継続事業/武田=2025年4月〜2026年3月期。ほかは暦年2025)。 USD への統一換算は公式レートを確認できなかったため掲載しない。武田は円建てで約4.5兆円で、欧米大手とは規模の差が大きい。 出典: 各社公式決算(IR/SEC 提出)

業界の変遷(年表)

いまの勢力図がどう出来上がったのか。主要な出来事を時系列で並べる。各行の「出典」は発表元の一次資料へのリンク。

  1. 2002-10

    中外製薬が日本ロシュと合併し、スイスのロシュが中外株の過半を取得。中外はロシュ・グループに入った。

    出典: 中外製薬 公式「ロシュ社との戦略的アライアンス」
  2. 2005-09

    三共と第一製薬が株式移転により共同持株会社「第一三共」を設立した(2007 年に両社を統合)。

    出典: 第一三共 公式「沿革」
  3. 2008-05

    武田薬品が米ミレニアム・ファーマシューティカルズの買収を完了した(1株 25.00 ドル)。

    出典: Millennium Pharmaceuticals Form 8-K(SEC, 2008)
  4. 2008-11

    第一三共がインドのランバクシーの株式約 63.9% を取得し買収を完了した(後にサン・ファーマへ売却)。

    出典: 第一三共 公式プレスリリース(2008)
  5. 2019-01

    武田薬品がアイルランドのシャイアーの買収を完了(約6兆円規模)。日本企業では最大級の海外買収となった。

    出典: 武田薬品 公式「Offer for Shire plc」(完了 2019-01-08)
  6. 2019-03

    第一三共と英アストラゼネカが抗体薬物複合体「エンハーツ」の共同開発・商業化で提携した(一時金 13.5 億ドル)。

    出典: AstraZeneca Form 6-K(SEC, 2019)
  7. 2023-07

    エーザイと米バイオジェンのアルツハイマー病治療薬「レケンビ(レカネマブ)」が米 FDA の正式承認を取得した。

    出典: Biogen 公式プレスリリース(2023-07-06)

よくある質問

製薬業界の主な上場企業はどこですか?

製薬業界の主な上場企業には、武田薬品工業株式会社、大塚ホールディングス株式会社、アステラス製薬株式会社、第一三共株式会社、中外製薬株式会社、エーザイ株式会社、塩野義製薬株式会社があります(日本国内の上場企業ベース)。

製薬業界の世界の主要プレイヤーはどこですか?

① 世界の主要製薬 通期売上(FY2025)によると、Merck & Co(MSD・米)($65.0B)、Pfizer(米)($62.6B)、Roche(スイス)(CHF 61.5B)、AbbVie(米)($61.2B)、Johnson & Johnson(米・医薬部門)($60.4B)が挙げられます。