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証券

対面からネットへ、そして手数料ゼロへ —— 稼ぎ方が変わった

証券は、対面営業の大手(野村・大和)と、ネット証券(SBI・松井)に分かれる。 ネット証券は 2023 年以降の日本株売買手数料無料化で「手数料で稼ぐ」モデルを自ら捨て、 信用取引・投信・金融サービス全体で稼ぐ形に変わった。SBI は証券会社というより金融コングロマリット (銀行・保険・暗号資産・PE 投資)になっている。新 NISA による個人の投資拡大が追い風。下表は各社の全社連結。

各社の全社連結(横断比較)

数値は各社の最新の全社連結(有報ベース)で、当該業界の事業“単独”ではない。 決算期は会社ごとに異なる(最新を含む期: 2026年3月期 前後)。

セグメント別(主戦場/非主戦場)

各社の事業別セグメント売上・利益。この業界の主戦場に当たるセグメントには主戦場を付けています。主戦場が見当たらない会社は、その事業が独立セグメントとして開示されていない(=全社の一部に埋もれている)ことを意味します。

野村ホールディングス株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

国内最大手。海外(欧米)にも展開するが、海外部門の収益変動が大きい。

SBIホールディングス株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高設備投資減価償却セグメント間取引構成比
金融サービス主戦場1.57兆円847億円565億円127億円82.3%
PE 投資1558億円—27億円25億円8.2%
暗号資産893億円—15億円3億円4.7%
次世代事業515億円—28億円47億円2.7%
資産運用404億円—16億円13億円2.1%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

証券専業ではなく金融コングロマリット。銀行・保険・暗号資産・PE 投資まで持つ。

株式会社大和証券グループ本社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

対面系の第2位。リテールとホールセールを持つ。

松井証券株式会社非主戦場

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

ネット証券の草分け。手数料無料化の影響を直接受ける規模の小さい専業。

業界の変遷(年表)

いまの勢力図がどう出来上がったのか。主要な出来事を時系列で並べる。各行の「出典」は発表元の一次資料へのリンク。

  1. 1996-11

    橋本総理が大蔵大臣・法務大臣に金融システム改革(日本版ビッグバン)を指示。「フリー(自由)・フェア(透明)・グローバル」の3原則を掲げ、2001 年までに東京市場をニューヨーク・ロンドン並みへ復権させることを目標とした。

    出典: 大蔵省「日本版ビッグバンとは」(金融庁サイト内アーカイブ)
  2. 1997-06

    大蔵省が「金融システム改革のプラン」を公表し、株式売買委託手数料を「99 年末には完全自由化」する工程を明示した。

    出典: 大蔵省「金融システム改革のプラン」(1997-06-13)
  3. 1998-05

    松井証券がインターネット取引「ネットストック」を開始(同社は「国内初の本格的インターネット取引」と表記)。ネット証券の時代が始まった。

    出典: 松井証券 公式「沿革」
  4. 1999-10

    株式売買委託手数料が完全自由化された(取引所の受託契約準則による固定手数料制度の廃止)。ネット証券が価格競争で台頭する土台となった。

    出典: 日本取引所グループ 用語集「委託手数料」
  5. 1999

    大沢証券がイー・トレード証券(現・SBI 証券)へ商号変更しインターネット取引を開始。同年、大和證券が日本の上場会社で初めて純粋持株会社へ移行した。

    出典: SBI 証券 公式「会社概要(沿革)」/大和証券グループ本社「あゆみ」
  6. 2008-10

    野村がリーマン・ブラザーズのアジア・パシフィックおよび欧州・中東地域部門の雇用等を承継(同社のインドの IT サービス関連会社は買収)。破綻した米投資銀行の人材を一気に取り込んだ。

    出典: 野村ホールディングス 公式「沿革」
  7. 2023-09

    SBI 証券が「ゼロ革命」として、2023 年 9 月 30 日発注分からオンラインの国内株式売買手数料を恒久的に無料化(楽天証券も 10 月 1 日から「ゼロコース」を開始)。証券会社が「手数料で稼ぐ」モデルを自ら手放した。

    出典: SBI 証券 プレスリリース(2023-08-31)
  8. 2024-01

    新しい NISA 制度が開始。年間投資枠は最大 360 万円、非課税保有限度額 1,800 万円、非課税保有期間は無期限となり制度が恒久化された。個人の投資マネー流入が証券各社の追い風に。

    出典: 金融庁 NISA 特設サイト
  9. 2024-02

    日経平均株価がバブル期の最高値を更新した。

    出典: 内閣府『令和6年度 年次経済財政報告』第1章第1節

よくある質問

証券業界の主な上場企業はどこですか?

証券業界の主な上場企業には、野村ホールディングス株式会社、SBIホールディングス株式会社、株式会社大和証券グループ本社があります(日本国内の上場企業ベース)。