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海運

世界景気の“体温計” —— コロナ特需で利益が数倍に膨らみ、正常化で急減した

海運は世界の物流を担う装置産業で、運賃(市況)によって業績が激しく上下する。コロナ禍のサプライチェーン混乱で コンテナ運賃が高騰し、2022年3月期の純利益は日本郵船で1兆91億円(前期比 +624.8%)まで膨らんだが、 運賃の正常化とともに 2024年3月期は 2,286億円(前期比 −77.4%)へ急減した。この振れ幅こそが海運の本質。 日本郵船・商船三井・川崎汽船の3社はコンテナ船事業を「ONE」に統合している。下表は各社の全社連結。

各社の全社連結(横断比較)

数値は各社の最新の全社連結(有報ベース)で、当該業界の事業“単独”ではない。 決算期は会社ごとに異なる(最新を含む期: 2026年3月期 前後)。

セグメント別(主戦場/非主戦場)

各社の事業別セグメント売上・利益。この業界の主戦場に当たるセグメントには主戦場を付けています。主戦場が見当たらない会社は、その事業が独立セグメントとして開示されていない(=全社の一部に埋もれている)ことを意味します。

日本郵船株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

国内最大手。定期船(ONE 経由)・不定期専用船・航空・物流に多角化。

株式会社 商船三井主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

LNG 船・自動車船等に強い。ONE を通じてコンテナも。

川崎汽船株式会社主戦場側

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

自動車船に強み。3社の中では規模が小さいがコンテナ(ONE)の比率が高い。

NSユナイテッド海運株式会社非主戦場

この会社は当該期の収録データに事業別セグメントの売上・利益が含まれていません。

ばら積み船(鉄鉱石・石炭等)中心の専業。3社より小規模。

業界の変遷(年表)

いまの勢力図がどう出来上がったのか。主要な出来事を時系列で並べる。各行の「出典」は発表元の一次資料へのリンク。

  1. 2016-10

    日本郵船・商船三井・川崎汽船の3社が、定期コンテナ船事業の統合について事業統合契約を締結(出資比率=郵船 38%・商船三井 31%・川崎汽船 31%、出資額 約3,000億円)。

    出典: 3社連名 プレスリリース(2016-10-31)
  2. 2017-07

    統合の新会社(持株会社と、シンガポールの事業運営会社 Ocean Network Express Pte. Ltd.)を設立した。

    出典: 商船三井 公式(2017-07-07)
  3. 2018-04

    ONE がサービスを開始(出資金は総額 30 億米ドル)。3社のコンテナ船事業が1社に集約された。

    出典: 3社連名 プレスリリース(2018-04-02)
  4. 2022-03

    コロナ禍のサプライチェーン混乱で運賃が高騰し、2022年3月期の純利益は日本郵船 1兆91億円(前期比 +624.8%)・商船三井 7,088億円(+687.1%)・川崎汽船 6,424億円(+491.0%)に達した。

    出典: 日本郵船 2022年3月期 決算短信(2022-05-09)
  5. 2023-03

    下半期に「サプライチェーンの正常化による船腹供給量の回復と輸送需要の減退」で短期運賃市況が下落に転じた(川崎汽船 決算短信の原文)。

    出典: 川崎汽船 2023年3月期 決算短信(2023-05-08)
  6. 2024-03

    運賃の正常化により大幅減益。純利益は日本郵船 2,286億円(前期比 −77.4%)・川崎汽船 1,047億円(−84.9%)まで戻った。

    出典: 日本郵船 2024年3月期 決算短信(2024-05-08)

よくある質問

海運業界の主な上場企業はどこですか?

海運業界の主な上場企業には、日本郵船株式会社、株式会社 商船三井、川崎汽船株式会社があります(日本国内の上場企業ベース)。