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通信(携帯キャリア)

国内3強+楽天の寡占 —— 内需型インフラだが NTT は世界でも上位

通信は国内市場を NTT・KDDI・ソフトバンクの3強が握り、2020年に楽天モバイルが4番目のキャリアとして参入した寡占産業。 各社は個人(携帯)と法人に加え、非通信(金融・EC・エネルギー)へ多角化する。内需型だが NTT は世界の通信事業者でも売上上位。 下表は各社の全社連結で、通信以外の事業も含む。

各社の全社連結(横断比較)

数値は各社の最新の全社連結(有報ベース)で、当該業界の事業“単独”ではない。 決算期は会社ごとに異なる(最新を含む期: 2026年3月期 前後)。

セグメント別(主戦場/非主戦場)

各社の事業別セグメント売上・利益。この業界の主戦場に当たるセグメントには主戦場を付けています。主戦場が見当たらない会社は、その事業が独立セグメントとして開示されていない(=全社の一部に埋もれている)ことを意味します。

日本電信電話株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高営業利益資産設備投資減価償却構成比
統合 ICT(ドコモ等)主戦場6.46兆円9421億円11.39兆円7143億円8885億円39.3%
グローバル・ソリューション5.00兆円4882億円7.87兆円6757億円3803億円30.5%
地域通信3.21兆円3074億円7.12兆円4914億円4446億円19.5%
不動産・エネルギー・その他1.75兆円-16億円18.88兆円2059億円1464億円10.7%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

持株会社。統合 ICT(IntegratedICTBusiness=ドコモ)が携帯の主力。地域通信・グローバルも。

ソフトバンク株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高営業利益減価償却セグメント間取引構成比
コンシューマ(個人)主戦場3.00兆円5508億円3743億円190億円43.4%
メディア・EC1.64兆円2404億円1694億円269億円23.7%
法人9701億円1924億円1783億円328億円14.0%
流通9236億円353億円41億円1328億円13.4%
金融3793億円863億円323億円252億円5.5%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

個人(Consumer)が携帯の主力。法人・流通・メディア EC・金融(PayPay 等)へ多角化。

KDDI株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高営業利益減価償却セグメント間取引構成比
パーソナル(個人)主戦場4.76兆円8283億円5771億円572億円78.6%
ビジネス(法人)1.29兆円2639億円1112億円2356億円21.4%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

au ブランド。個人(Personal)が携帯の主力、法人(Business)も。

楽天グループ株式会社主戦場側

セグメント(事業別)売上高構成比
インターネットサービス(EC 等)1.37兆円48.4%
フィンテック9759億円34.5%
モバイル主戦場4828億円17.1%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

EC(InternetServices)・フィンテックが基盤。2020年の携帯参入(Mobile)で先行投資が重い。12 月決算。

ソフトバンクグループ株式会社非主戦場

セグメント(事業別)売上高設備投資減価償却セグメント間取引構成比
ソフトバンク(通信)7.03兆円7412億円7756億円69億円91.7%
AI・コンピューティング6403億円—1071億円—8.3%
Holding Company Investment Business—6億円30億円——
Soft Bank Vision Funds Business—39億円19億円——
Arm—1595億円———
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

「ソフトバンク」でも通信会社ではなく投資会社(ビジョン・ファンド/Arm 等)。通信は子会社 SB(9434)が担う。

株式会社NTTデータグループ非主戦場

セグメント(事業別)売上高営業利益設備投資減価償却セグメント間取引構成比
Overseas2.73兆円1002億円4663億円1845億円195億円59.1%
日本1.89兆円2052億円—1600億円394億円40.9%
Public And Social Infrastructure——1859億円———
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

通信ではなく IT サービス(システム開発)大手。NTT 傘下だが事業は SI。

株式会社光通信非主戦場

セグメント(事業別)売上高営業利益設備投資減価償却構成比
Electricity And Gas3196億円358億円3億円4億円43.5%
Communication1275億円294億円3億円4億円17.4%
Agency Sales985億円128億円3億円3億円13.4%
Beverage853億円97億円175億円144億円11.6%
Finance455億円221億円6億円4億円6.2%
Insurance315億円94億円6200万円2億円4.3%
Solution269億円38億円3億円2億円3.7%
セグメント別の売上高など、有報のセグメント情報注記から抽出(事業別)。構成比は売上高に占める各セグメントの割合(セグメント間取引・調整前)。会計基準やタグ付けにより取得できる科目は会社ごとに異なります。

法人向け通信・OA 機器等の代理店でストック収益型。自らは回線を持つキャリアではない。

世界の状況

日本の上場企業だけでは業界の全体像は見えない。世界の主要プレイヤーを並べると、 この業界で日本勢がどの位置にいるのかが分かる。棒の長さは規模(売上・総資産・台数など)の目安。

① 世界の大手通信事業者 売上(直近通期)

通信は国内市場を数社が握る内需型産業だが、NTT は売上ベースで世界の通信事業者でも上位に入る。バーは USD 概算での規模感。

#プレイヤー売上(現地通貨・原文値)USD 概算(非公式)
1China Mobile(中国移動)
RMB 1兆502億元
≈ $146B
2Verizon(米)
$138.2B
ドル建て・確定
3Deutsche Telekom(独)
€1,191億
≈ $129B
4AT&T(米)
$125.6B
ドル建て・確定
5NTT(日本電信電話)日本
¥14.41兆
≈ $96B・2026/3期
6China Telecom(中国電信)
RMB 5,296億元
≈ $74B
7América Móvil(メキシコ)
ペソ 9,436億
≈ $51B
指標(営業収益/売上)と会計年度・通貨が各社で異なり単純比較はできない。USD 概算は非公式(為替は仮定値)。 NTT は 2026 年 3 月期で、NTT データ(IT サービス)・エネルギー・不動産等の非通信事業を含む連結値。 出典: 各社公式決算(IR/SEC)

業界の変遷(年表)

いまの勢力図がどう出来上がったのか。主要な出来事を時系列で並べる。各行の「出典」は発表元の一次資料へのリンク。

  1. 1985

    日本電信電話公社が民営化され、日本電信電話株式会社(NTT)が発足した。

    出典: NTT 公式「NTT グループの歩み」
  2. 1992

    NTT が移動体通信事業を分離し、NTT 移動通信網(後の NTT ドコモ)を設立した。

    出典: NTT ドコモ 公式「会社の沿革」
  3. 2006-10

    携帯電話番号ポータビリティ(MNP)が開始。番号を変えずにキャリアを乗り換えられるようになった。

    出典: 総務省「MNP に関する Q&A」
  4. 2008-07

    iPhone 3G が日本で発売(ソフトバンクモバイル)。スマートフォン時代の起点となった。

    出典: ソフトバンク 公式プレスリリース(2008-07)
  5. 2018-04

    楽天モバイルが第4の携帯キャリアとして参入認定(1.7GHz 帯の割当)を受けた。

    出典: 楽天グループ 公式(2018-04-09)
  6. 2020-12

    NTT が TOB を経て NTT ドコモを完全子会社化。ドコモは上場廃止となった。

    出典: NTT ドコモ 公式/NTT IR(2020)
  7. 2021

    政府主導の値下げを背景に、大手3社がオンライン専用の割安プラン(ahamo・povo・LINEMO)を相次いで開始した。

  8. 2024-04

    NTT 法(日本電信電話株式会社等に関する法律)の改正が成立。研究開発成果の開示義務等が見直された。

    出典: NTT 公式ニュースリリース(2024-04-17)

よくある質問

通信(携帯キャリア)業界の主な上場企業はどこですか?

通信(携帯キャリア)業界の主な上場企業には、日本電信電話株式会社、ソフトバンク株式会社、KDDI株式会社、楽天グループ株式会社があります(日本国内の上場企業ベース)。

通信(携帯キャリア)業界の世界の主要プレイヤーはどこですか?

① 世界の大手通信事業者 売上(直近通期)によると、China Mobile(中国移動)(RMB 1兆502億元)、Verizon(米)($138.2B)、Deutsche Telekom(独)(€1,191億)、AT&T(米)($125.6B)、NTT(日本電信電話)(¥14.41兆)が挙げられます。